「温室デイズ」 瀬尾まいこ
『温室デイズ』という題名から連想できることとは程遠い、
学級崩壊やいじめが取り上げられた作品。
崩壊していく学校をなんとかしようとして、ひとり声を挙げる。
それがきっかけでクラスからいじめの標的にされる、中学3年生のみちる。
小学校から今まで、そういったものとは無縁で生きてきた私には、みちるの学校の現状・執拗ないじめはけっこうショッキングで、読んでいてヒリヒリするような感覚でした。
考えてみれば、私って、正真正銘の“温室”のなかでぬくぬくと育っているんだなぁ・・・なんて思いました。
くだらないことが発端の、こんな深刻なものを抱えている同年代の子がいるのかと思うと、それはすごく不思議で、すごく苦しい。
味方になってくれるような、信頼できる先生。
最後の最後で分かり合えるクラスメイト。
そして、ハッピーエンド。
そんなものがまるでないところがすごく生々しい。
中学校の先生である瀬尾さんが描くと、余計にリアル。
「そんなにつらいなら学校に来ないという選択もあるんだよ」
という慰めの言葉に
「何も悪いことをしていないのに、何で私が逃げなければならないのか」
と、食ってかかるみちる。
みちるは正しい。だけど、正しいことはいつも味方になるわけじゃない。
優子が目をそらしてしまうのも仕方ないことなのかもしれない。
私はいじめとか暴力に免疫がない分余計、みちるのようには絶対になれないと思う。
ひとりで立ち向かっていくみちるに、強い、とか、すごい、なんて陳腐な言葉じゃ失礼だ。
作品自体は薄いけど、決して読み流せない。
なんか、ズン、ってきました。
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コメント
高校生のすばるです。『温室デイズ』は私も読みました。非常に現実の社会を捉えている良い作品に感じました。特に、結局ハッピーエンドにならないことは現実社会がそんなにうまくいくことばかりではないという作者さんのメッセージに感じました。
日本人は全体との協調を大切にします。だからいつ誰がいじめられてもおかしくないのです。
本をこんなに好きに読んでくれる高校生が自分のほかにいることが少しばかりうれしいです。
投稿: すばる | 2007年4月 2日 (月) 14:27
おひさしぶり、ですよね?
決してハッピーエンドにならないところが、何だかすごく生々しくとても現実的で、かつ、ショックでもありました。
活字離れが叫ばれている現代。学校の友達でもあまり本をよく読む人は少なくてさびしいです。
私は、本好きの人たちが集まっている『本を読む人々。』というSNSに参加しているのですが、すばるさんもいかがですか?
互いに本を薦めあったり、読書の幅も広がりますよ。
投稿: ふぇるまーた | 2007年4月 5日 (木) 20:48