「博士の愛した数式」 小川洋子

博士の愛した数式

「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

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今さらながら読んでみた。

ほんのちょっと(ホントにちょっとだけ)、数学のことを見直したかもしれない。
いや、うーん・・・。
数学の苦々しさ現在進行中の私にとっては
「学生の頃にこの本に出会えていたら数学をもっと頑張ったかも」
なんてほかの人のように生易しい態度は取れないわけでして。
今までのこと、そしてこれから先のことを考えると、数学のことをそう簡単に許すわけにはいかない。
「たしかに数学にも独特な美しさがあるのかもしれない。数にとり憑かれる人がいるのもわかる気がする。でもね・・・!?」
と、どうしても反論したくなる。
ここはあくまで強硬な態度で臨みます(?)。

脱線しました。


淡々としているけれど、じわじわとくる。
静かで居心地の良い雰囲気の作品。
でも全体的にせつないですね。
どれほど濃密で、愛おしくなるような時間をともにしても
次の日にはまたゼロからのスタート。
思い出を共有することすらできない。
覚えていられないほうもつらいし、忘れられるほうもつらい。
最後はまたちょっとせつないけれど、でも幸せそうでよかった。

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