「いつかパラソルの下で」 森絵都

良かったけれど、あまりピンとこなかったかなぁ。
この作品も、『風に舞いあがる~』も。
森さんには、やっぱり少年を描いて欲しいな、と思います。
まだ私が子どもなだけなのか???

一番好きなシーンは、旅先での親戚との酒盛りでひどい二日酔いでぐだぐだだった3兄弟が、「イカイカ祭り」に釣られてむくむく起き上がるところ。
「あー、なんも食いたくねえ。でも、イカなら食いてえ」と言って祭りに出かける。
そして吐くまでイカを食べる(実際吐く)・・・。
イカへの執念が感じられます。必要以上に。
イカってそんなにおいしかったっけ?と、こちらまで食べたくなります。

他にもいろいろ思うことがあったはずなのに、イカイカ祭りに持っていかれたな・・・。


そして、今日借りた本。
『レインレイン・ボウ』 加納朋子
『星々の悲しみ』 宮本輝
あとは生物のレポート用にリチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』も。
加納さんも宮本さんもはじめて。
もちろん『利己的な遺伝子』も、です。3分の1ほど読みましたが挫折しないか心配です。

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「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都

風に舞いあがるビニールシート
12/21読了。

面白かったけど、ちょっとよそゆきな雰囲気、というか今までよりちょっと堅いかな?という印象。

「カラフル」や「DIVE!!」の方が好きかな、私は。
でも、このなかの「ジェネレーションX」は好き。けっこう好き。こういう読後感、大好きだ。
メンバーが一人も欠けちゃいけない理由が素敵。
石津くん(なぜか上から目線)も、健一さんが思うような青臭くてお気楽な青年じゃなくて、彼なりの考え方なんかも持っていて…意外だった。
正直、健一さんと同じように石津くんのこともっと薄っぺらい人かと思っていた(笑)。
けっこう良いこと言ってるんですよね、この人。私もそう思うよ、石津くん。
読後感もイイ感じで、ニヤニヤしちゃう。
オチのこのニヤニヤしちゃう感じはちょっと伊坂さんっぽいかも?

全体としては★4つ。
考えてみたら森さんのはじめて読んだ短編でした。

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「DIVE!!」 森絵都

オンライン書店ビーケーワン:ダイブ!! 上オンライン書店ビーケーワン:ダイブ!! 下

高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、なんとオリンピック出場だった!女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年のすべてをかけた、青春の熱い戦いが始まる―。大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ!

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最近ずっと目を付けていた作品。「カラフル」を読んですごく良くて感動して、森絵都さんの作品はこれしか読んだことがなかったけれど、「この作家さん、大好きだ!」と確信し、同様に、「DIVE!!」も読む前から勝手に、「絶対に良い!!」と確信していた。そして期待は裏切られなかった。

私はスポーツに疎いし飛び込みの知識なんか欠片すらなかったけれど、そんなの関係なかった。今回もすごく良かった。なんかとっても興奮した。特にオリンピック出場をかけた最後の予選のところ。後半鳥肌が立ちっぱなしだった。こんなにも胸がドキドキするとは思わなかった。本を読んでこんなにも息が詰まることなんて初めてだった。今日の駒大苫小牧対早稲田実業の決勝戦(再)のように手に汗握るものだった。そして同じように、要一にも知季にも飛沫にも、苫小牧にも早実にも勝ち負けなんて関係なく力を出し切ってほしい、と強く思った。

構成はもちろん完璧だし、文体が全体的に潔いような爽快感がありとても好き。そして何より登場人物がみんな違ってみんな良い(笑)。ホントに。知季、飛沫、要一の3人は性格も特性も持ち味もバラバラで、それぞれが際立つ。3人を支えて応援するまわりの人たちも細かく描かれていて、そのなかでも要一とMDCのコーチであり彼の父親でもある敬介とのやり取りがすごく良い。最後の予選での敬介の大声には・・・泣いた。コーチから父親にやっと戻れた瞬間で、要一君もそれを待っていたんだと思う。要一君の逆立ち後宙返り三回抱え型とSSスペシャル’99はとてもかっこよかった。

飛び込みをやって彼らはいろんなことを我慢し、たくさんのものを失い、でも紆余曲折した結果得たものは、やはり大きい。行き詰まりとか葛藤とか悔しさだとかがストレートにひしひしと伝わってきて、同世代の彼らがこんなにも何かを越えようと努力しているんだから、私も負けてられないなぁと、素直に前向きに考えられるような感じ。

夏の読書に最高です。

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