「五千回の生死」 宮本輝

最近、宮本輝にハマっているみたい。
『星々の悲しみ』、『五千回の生死』と宮本さんの短編集を読んで、なんかすごく良いなぁと思った。

とくに「トマトの話」、「力」、「五千回の生死」がお気に入り。
「トマトの話」は、なんというか、やるせない気持ちでいっぱいになる。しょっぱなにコレで、惹きこまれた。
「力」は、頼りない小学一年生の通学の様子を、母親がうしろから尾けてハラハラしながら見守る、ものすごくあたたかい話。その話を聞いて大笑いしちゃうお父さんも良い。
でも、このなかでも「1日に5千回も死にとうなったり生きとうなったりする」と言う男との、一晩の友情を描いた「五千回の生死」が好き。
余韻だけでなくオチも決まっていて、じわじわくる。
宮本さんの作品は余韻がすごい。



関係ないけど、関西弁って読んでいるだけでもかなりうつりますね。
宮本輝さん、柴崎友香さんと、関西弁の多い作家さんを続けて読んだからか
たまに私まで不思議な関西弁をしゃべってしまう・・・(苦笑)。

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「星々の悲しみ」 宮本輝

収録されている7つの短編はどれも、よくいえば余韻たっぷりで、でも逆にいえば消化不良というか、言いたいこと、作者が描きたかったことが何だったのか、よくわからなかい終わり方。
だけど、それなのにすごい良いな、好きだなって思った。


まず、タイトルが素敵です。

『星々の悲しみ』

学校帰り、図書館をぷらぷらしていたところ、このタイトルに惹きつけられた。
パラパラと軽く読むつもりがその場で「星々の悲しみ」を読みきり、ものすごく揺さぶられたというか、これは!と思った。
宮本さんは芥川賞、吉川英治賞などを受賞しているし、図書館にも多くの著作があったのに、勝手に、私凄い作家さんを発見してしまった!と興奮した。
読んだことはなかったとはいえ、かなり失礼なことですね。
でも、自分の手柄にしたくなるほど良かったんです。
どこがどう良かったのか、自分でもよく理解できないんですが。
こういうのを、琴線に触れた、とでもいうのでしょうか。


『星々の悲しみ』には死をあつかったものが多く含まれている。
絵でいうのなら、あえて影を強調して描くことで光を表現するかのごとく、生を、死というものを前に出すことで描いたのでしょうか。
とても印象的でした。

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